会長挨拶

真の教育者我が国士舘に期待する

ー令和の日本型学校教育の方向性ー

      国士舘大学楓教育会

         会長   田代 和正

 新型コロナウイルス感染症が広がり、皆さんの日々の学生生活は一変しました。以前とは異なり、対面で学ぶ機会が少なくなり、スポーツや文化に触れる機会も制約されました。また、将来への不安やストレスを抱えている学生も多くいます。これまでも、私たち人類は、新型コロナウイルスのような新しい病気を経験してきました。そのたびに、世界中の研究者が病気の原因を探り、予防方法を見つけたり、薬の開発をしたりしてきました。そうして、私たちは「病気と共存していく」この歴史は繰り返されています。新型コロナウイルスも研究が進んで解明されれば、予防と治療ができるようになり、新たな共存生活が始まり、国士館大学の輝かしい学生生活が再興されると思います。
 国士館大学楓教育会では、「学生のために」を設立理念として、東京楓会が32年目、全国組織として17年目、教職支援室6年目を迎えました。また、母校国士館大学の発展、充実のため教職を目指す学生に教員として教育現場で直ぐにでも教壇に立てる指導力のある学生の育成に努めております。特に、難関である教員採用試験の中心課題である論文、面接、集団討論、模擬授業の実践指導をし、さらに合格者に対しては、本校卒業生の管理職を通して教育委員会の働きかけによる就職先の確保などの支援を具体的に実施しています。
 さて、令和3年1月に中央教育審議会から「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」という答申が出されました。すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現に向けた改革が進められています。
一人一人の子供が主語になる学校づくりは、一人一人の教師も主語となり、その職責を粘り強く完遂することが求められています。
 「教育は人なり」と言われるように、「生きる力」の育成や学校教育を巡る様々な課題に対応するため、「優れた専門性、教育者としての使命感・情熱、豊かな人間性」を備えた魅力ある人物を求めています。教員の職務は、子供の心身の発達にかかわっており、その活動は、子供の人格形成に大きな影響を与えます。毎日子供と関わる中で、教員は自分の人間としての在り方をさらけ出すことになります。したがって、 教員として求められているものは、知識・技能を含めた総合的な人間力と言えます。今まで身につけてきた、 またこれから身につける教養や知識、高度な専門性は、豊かな人間性に支えられてはじめて活きるからです。 今、社会で求められている力は、「基礎学力」「専門知識」に加え、それらをうまく活用し、「多様な 人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力=社会人基礎力」と言われるものです。
 教職を志す皆さんは、国士舘大学の教育理念である久遠の「建学の精神」と「誠意・勤労・見識・気魄」の涵養を、教育理念を兼ね備え、真の教育者として、これからの日本の教育に貢献することを期待します。